ペンネーム「やんちゃ坊主」さんからのご質問です。
ここ数年、光によるインターネット回線とか電話、テレビまで光回線が宣伝に使われています。光と聞くと何か速そうだなと思うのですが、具体的には何もわかりません。
わかりやすく説明してくれませんか?
というご質問です。

光ってそもそも何?

光は波であり、粒である
光は太陽からの光や照明器具によって作られる光など、いろいろな光がありますが、それらは「電磁波(でんじは)」とよばれる波の一種で、空間を伝わっていきます。また、人間の目では到底見ることができない「光子(こうし)」とよばれる小さな粒でもあるんです。その光子の粒の数によって光の強さが変わります。明るい光は粒の数が多く、暗い光は粒の数が少なくなります。

波の高いところから次の高いところまでの長さを「波長(はちょう)」といいます。波長が380nm~780nmの範囲は可視光線といって人間の目に見えますが、その範囲以外の短い紫外線、X線、γ線や波長の長い赤外線や電波は目に見えません。
それぞれの波長の違いと特徴により用途も様々です。レントゲンでお馴染みのX線、リモコンに使われる赤外線、紫外線による日焼け、電子レンジに使われるマイクロ波、ラジオやスマホに使われる電波などはよく知っているのではないでしょうか。
ちなみにnm(ナノメートル)とは国際単位系の長さの単位で10分の1メートルです。
1 nm = 0.001 µm = 0.000001 mm

人に話したくなる豆知識
紫外線は可視光線の紫色の外に位置する光ということで紫外線
赤外線は可視光線の赤色の外に位置する光ということで赤外線
といいます。

光は速い

光の速さ(光速)は「秒速30万km」といわれています。時速に直せば「時速10億8000万km」になります。地球の円周は約4万kmですから、1秒間に地球を7周半もできることになります。すごく速いですね。では、光より速く移動することは可能か?ということですが、アインシュタインの相対性理論で光の速さを超えるものはないとされています。しかし、メキシコの物理学者、ミゲル・アルクビエレは「アルクビエレ・ドライブ」という理論を提唱し、光より速い移動は可能だとしています。もし、これが実現すれば「宇宙戦艦ヤマト」に出てくるような時空を超えて移動する「ワープ」が実現するかもしれませんね。

光より速く移動できれば時間を戻すことができるって本当?

スーパーマンが光より速く地球の周りを回転することによって過去に戻り、ロイスを救うという場面があります。しかし、これは起こりえない。つまり特殊相対性理論により、過去を見ることは可能だけれど、過去に戻ることはできないからです。
特殊相対性理論とは、ドイツの物理学者アインシュタインが発表した時間と空間(時空)に関する理論のことです。
この相対性理論は理系の大学で勉強すると思いますが、ここでは省略します。興味のある方はネットで調べるとやさしく書かれているものもありますので、そちらをご覧ください。

光は「反射・吸収・透過」する、「屈折」する、「分散」する、「干渉」する、「散乱」する

光は「反射・吸収・透過」する
物体に入射した光(入射光)は、「反射」、「吸収」、「透過」という三つの行先に分かれます。
これらの間にはエネルギー保存則が成り立ちます。
つまり、
物体への入射放射束
=反射放射束+被吸収放射束+透過放射束
となります。
※放射束(ほうしゃそく)とは、ある面を時間あたりに通過する放射エネルギーを表す物理量をいいます。光のパワーだと考えてください。

光は「屈折」する
空気中から透明な物質へ、逆に透明な物質から空気中へ光が入ってきたりするときに、光が物質の境界面で折れ曲がる現象を「光の屈折(くっせつ)」と言います。このとき、物質の表面に垂直に引いた線との間の角度、a、cを「入射角」、b、dを「屈折角」と言います。
光が空気中から透明な物質に入るとき、入射角aの方が屈折角bより大きくなります。
逆に、透明な物質から空気中に光が入ってくるとき、屈折角dの方が入射角cより大きくなります。

なぜ光が空気中から透明な物質へ入るときや、その逆のときに光は曲がるのだろう?って次なる疑問が生じますよね。
人間が歩いているとき川とか海に入って同じように歩こうとすると川や海の水が抵抗して、普通歩くより遅くなりますよね。同じように光も異なる物質に入るとき、光のスピードが変化するんです。つまり、空気中の光が水に入ると、光の速度が遅くなります。同じ時間で空気中ならL1の距離を動くものが、水中だとL2の距離しか進みません。そのため、屈折が発生するのです。

光の屈折による様々な現象を身近なところで多く見ることができます。例えば、コップに入れたストローが曲がって見えたりしますよね。それはストローからの光が屈折して私たちの目に入ってくるからですね。次のような実験を家でやってみるとおもしろいですよ。

光は分散する
可視光線は波長が長い順番に赤、橙、黄、緑、青、藍、紫色という順に並んでいます。
光の屈折は、波長が長いほど屈折しづらく(屈折率が低い)、波長が短いほど屈折しやすく(屈折率が高く)なります。
従って、可視光線のすべての波長の混合物である白色光をプリズムに当てると、屈折した光がそれぞれの色に分かれます。屈折率が低い赤が上となり、波長が短く屈折率の大きい紫が下になります。
この入射した 光線 が 波長 ごとに別々に分離される 現象 を「分散」といいます。

雨上がりの空に虹が見えるのはどうしてでしょう?
太陽から届く光は、白色光線といって、実はさまざまな色が混ざって白く見えている光です。この太陽の光が、雨上がりなどで空気中に水滴が残っていると、それがプリズムの働きをすることがあります。水滴に当たった光は、プリズムと同じように「分散」して、帯状に連続してさまざまな色の光が私たちの目に届くようになります。それが虹なのです。 通常見られる虹の色は屈折率の違いから、外側の赤から始まって橙、黄、緑、青、藍および紫の順となっています。

光は干渉する
光は波です。そして複数の波が重なり合ったり、打ち消し合ったりします。この複数の波が、お互いに波を強めあったり打ち消しあったりすることを、「干渉」といいます。2つの波が強めあうと明るく見え、打ち消し合うと暗く見えます。
例えば、シャボン玉の表面で虹色がゆらゆらと見えるのは、光の干渉が起きているからなのです。
シャボン玉に太陽光からの白色光が当たると、干渉によって強めあった光が特に明るくなって反射されます。シャボン玉の膜の厚さがいろいろな場所で少しずつ違うために、強く見える色が変り、虹色に見えているのです。

光は散乱する
光が大気中のちりや水滴などに当たり、あらゆる方向に散らばることを、「散乱」といいます。光は直進する性質があるので、散乱しないと人間は目で見ることができません。太陽が輝いていても宇宙が暗闇なのはこのためです。
光は波長の短い青色のほうが散乱されやすく、波長の長い赤色のほうが散乱されにくい性質があります。日中は波長の短い光が大気中のちりなどに当たって散乱するため、空が青く見えます。
しかし、夕方になると太陽が地上から遠くに行くため、短い波長は散乱しきってしまい、散乱されにくい長い波長が目に届くことによって、赤やオレンジの夕焼けが見えるのです。

光通信とは

やっと光通信の本題に入ってきました。
私達の身近なコンピュータや携帯電話は、情報を「0と1」の電気信号で理解し、動いています。その信号を素早く相手に伝えるために、最速の光を利用して通信することを「光通信」と言っています。
具体的には、送信側の電気信号を光信号に変えて発信し、光ファイバーという線を通して光信号を伝送し、受信側で再度、光信号を機器がわかる電気信号に変換しているのです。

光ファイバーとは

従来の電話やADSLといったネット回線は、銅などの金属が材料の「メタルケーブル」を使用していました。それに対して、高純度のガラス繊維(またはプラスチック繊維)が使われているのが「光ファイバーケーブル」です。
信号は1と0を切り替えて情報伝達しますが、電気信号に比べ光信号は格段に速く切り替えができるため、短時間でより大容量の通信を行うことができるのです。

なぜ、光が外へもれていかないのでしょうか?
光ファイバーは「コア」と呼ばれる中心部分と、「クラッド」と呼ばれる外側部分の二重構造になっています。コアは屈折率が高く、クラッドは屈折率が低い素材となっているため、コアに入った光はクラッドとの境界面で外へもれることなく、全反射を繰り返しながら、光ファイバーの中を進んでいくからなのです。
長々と光について解説したのは、光の性質を理解していないと光通信が理解できないためだったのです。

送受信回路は?
私たちがキーボードから打ち込んだものやその他の信号は、機械がわかる0と1の信号に変えられます。0と1の信号とは単純に言えば電圧が高いか低いかで判断します。だから電圧が高ければ光を発し、低ければ光を出さないようにして、それを光ファイバーにつなげれば、光で情報を送信することができます。
一方、受信側は送られてきた光の信号を電気信号に変えることができる素子を利用して、光の0と1の信号を機械がわかる電圧のLとH、つまり、0と1に変換して情報を理解することができるのです。