雷が鳴ると、せん孔とともにゴロゴロと音がします。天上に雷様が本当に居るのでしょうか。古来、多くの建物が落雷で焼失しています。落雷の原理を解明して建築物の焼失を防いでほしいと思っています。避雷針しか方法がないのでしょうか。雷が鳴った時の避難方法も知っておきたいです。車の中は安全で大きな樹の下は危険といわれるのはなぜでしょう。また、あのエネルギーを蓄え、電力不足の供給に利用できないものでしょうか。(ペンネーム:風小僧)

風小僧さん、質問ありがとうございます。幼いころは、雷が鳴ると蚊帳の中に入り、「くわばらくわばら」と唱えたものでした。今、エネルギー問題が深刻な時代になって、雷のエネルギーを我々が使用できる電気エネルギーに変換できないだろうかと、私は今も考えることがあります。

人に話したくなる豆知識
菅原道真は死して天神(雷の神)になったと伝えられる。民間伝承では惧れと親しみをこめて雷神を「雷さま」と呼ぶことが多い。雷さまは落ちては人のヘソをとると言い伝えられている。日本の子供はに腹を出していると「かみなりさまがへそを取りにくるよ」と周りの大人から脅かされる。
雷さまから逃れるための方法は、蚊帳に逃げ込む、桑原(くわばら:菅原道真の亡霊が雷さまとなり、都に被害をもたらしたが、道真の領地の桑原には雷が落ちなかったと言う伝承から由来)と唱える、などが伝えられる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

雷が発生する仕組み

① 雲の発生
(1)太陽からの電磁波で、地表や海上で発生する水蒸気が空気中の塵(チリ)と混ざり暖められて上昇する。👉山の上は太陽に近いのになぜ寒いの?
(2)上昇した水蒸気は冷やされ、空気中のチリなどに付着して水や氷の粒となる。
➡空気中の水蒸気は、温度によって含むことができる量が決まっています。空気の温度が高いとその量は増え、空気の温度が低いと減ります。つまり、上昇した水蒸気は冷やされると、含むことができる水蒸気の量が減るため空気中から追い出されて水や氷の粒が発生します。
(3)この水や氷の粒がたくさん集まって雲になる。

やかんの水が沸騰することでたくさんの水蒸気が発生します。放出された水蒸気は空気中で細かな水滴となります。それが白く見える湯気(ゆげ)です。
だから湯気は雲と同じようなものです。
人に話したくなる豆知識 ②
水蒸気は気体で目に見えないものです。湯気は液体で空気中のチリなどに付着して水滴となり白く煙のように見えます。

人に話したくなる豆知識 ③
空を見上げると写真のように飛行機雲を見ることがあります。この雲は飛行機のエンジンから排出されるチリ(排気ガスやそこに含まれる微粒子)が空気中の水蒸気に付着して水滴となり、それが白く見えるからです。
だから、空気中に水蒸気がほとんどない場合は飛行機が飛んでも飛行機雲ができないのです。

人に話したくなる豆知識 ④
<そうすると雨も空気中のチリに水蒸気が付着したものなの? だとすると雨はきたないの?>
そうなんですね。空気中のチリが汚ければ、雨も汚くなります。都会では工場や自動車から排出される硫黄酸化物と窒素酸化物が多くなり酸性雨となりやすい。だから田舎よりも都会の方が汚いことになります。また、降り始めの雨は空気中の汚れたチリを多く含むので降り始めの雨は注意が必要です。

② 雲の中での変化

雲は上昇するにつれ温度が下がり氷点下になるときもあります。そのため、雲の中にある水滴は氷のつぶに変わっていきます。そして、その氷の粒は少しずつ大きく、重くなってきます。
氷の粒が大きく重くなると、浮いていることができなくなり重力で下降し始めます。

③ 雲の中でのぶつかり合いで電荷がたまる

こうして下降する氷の粒と上昇する氷の粒とがぶつかり合うことで、 静電気が発生します。このとき小さな粒は正の電荷(+)、大きな粒は負の電荷(-)を帯びるため、雲の下の方では負の電荷(-)が、雲の上の方では正の電荷(+)がたまっていきます。また、雲の底に集まった負の電荷によって、地面 は正の電荷(+)を帯びるようになります。

④ 落雷

雲にたくさんの電荷がたまっていき、ためられなくなった電荷を地面に逃がそうとするときに雷が発生します。
それが「落雷(らくらい)」=「雷が落ちる」という現象なんです。
1回の雷が持つ電気のエネルギーは、電圧で約1 億ボルトといわれています。100ボルトの100万倍なわけですから、これが有効利用できたら、私たちの生活も助かることでしょうね。

人に話したくなる豆知識 ⑤
<雷はなぜゴロゴロと聞こえるの?>
空気は本来、電気を通しません。しかし、雲にたくさんの電荷がたまって、そのエネルギーが巨大なため、ふつうは電気が流れない空気中をむりやりに電気を通そうとします。そのため、通り道になった空気はものすごく熱くなり、爆発するように膨張します。その衝撃が周りの空気に振動し、ゴロゴロ、バリバリと音が聞こえます。このときの空気の温度は約30,000℃まで達すると言われています。雷の音は、雷の近くではバリバリと聞こえ、遠くの場合は、雷音がいろいろなものに反響してゴロゴロと聞こえます。
<雷がジグザグ進むのはなぜ?>
雷は電気を通さない空気中を進むので、できるだけ通りやすい道をさがします。通りやすい道とは、空気のうすいところと湿度の高いところです。そのため、あっちこっちと選んでジグザグと進んでいくのです。

人に話したくなる豆知識 ⑥
<光ってからゴロゴロと音が聞こえるね>
光の速度は1秒当たり30万km、音の速度は1秒当たり340mです。光の速度はとても速いので、雷が発生したときに光ると考えればよいのです。だから光ってから音が聞こえるまでの秒数を調べ、その秒数に340をかければ、雷が落ちた場所と現在場所との距離がわかります。

雷の落ちやすい場所はどこ?

雷の落ちやすい場所を理解しておくことは、雷が発生した場合どうすればよいかがわかるので、とても大切なことです。
落ちやすい場所は基本的に高いところなので、高くならないようにする(しゃがむ)、高いところやその周囲に行かないということが身を守る最も大切なことです。
では、よく言われていることは正しいのか考えてみましょう。

これ本当?答え解説
雷が鳴ったらへそを隠す関係ない迷信なのですが、この由来はわかっていません。おへそを出して寝ていると風邪をひくから、とか体を丸めて低い姿勢でいるように というのが主な理由のようです。
雷が鳴ったら軒下へ入る間違い雷がもし落ちると、家の周囲を伝わって地面に吸い込まれます。だから、建物の中へ入る、それができなければ、少し離れたところにいるのがよいでしょう。
雷が鳴ったら車の中にいる正しい雷がもし落ちたら、車の周囲の金属の部分に流れやすいので車の中にいるのは正しい。ただし、車のボディーに触れずに、真ん中にいるのがよいでしょう。
雷が鳴ったら、木の下で待つ間違い雷は高いところに落ちるので、できるだけ木のそばを離れ、身をかがめて、低い姿勢を保つことが大切です。
平地で雷が鳴ったら、腕時計等の金属類を外す関係ない電気は金属を通るから、雷が鳴ったら時計や金属のついたバンドなどをはずすのがよいとよく言われましたが、これは全く関係がないと言ってよいでしょう。まず、低い姿勢になることが何よりも大切です。
雷が鳴ったらすぐに建物の中に入る正しい外で雷が鳴ったら、すぐに建物内に避難しましょう。鉄筋のビルなどは比較的安心です。ともかく、軒下は避けてください。
ゴム製品を身に付ける関係ない一般的な電圧ならば絶縁効果があるのですが、落雷のような大電流では効果はありません。
傘をさす間違い高いところに落ちるのですから、傘はつぼめて速やかに建物内に入る。同様な理由で魚釣りをしていた釣竿を持ったまま移動しない。
腹ばいになる間違いなるべく低い姿勢でというので、正しい選択のように思えるのですが、これは絶対にやってはいけないことです。雷が落ちると地面に流れます。すると腹ばいになっていると設置面積が大きい分だけ、地面に流れた雷の電気が人体に流れてくる可能性が高くなります。また、特に胸をつけていると大変危険です。

近くに建物などがない場合は「雷しゃがみ」のポーズをとろう!

雷しゃがみのポーズの仕方は以下の通りです。

1. ひざを曲げて上半身を前かがみにします。
2. 両足のかかと同士をつけます。
3. そのまま爪先立ちします。
4. 両手で耳を塞ぎます。

両足のかかと同士をつける理由は、落雷した電気が地面から片足へ流れてきた場合、両足がくっついていると、もう一方の足へ電気が流れ地面にUターンさせることができるからです。これにより、上半身に電気が流れず、身を守ることができます。
また、爪先立ちすることで、地面との設置面積を少なくし、地面から身体への電気の流れを最小限に留めることができます