それぞれの国のお金は日本とは異なるの?

そうですね。日本はお金の単位は「円」を使っていますが、これは日本だけです。では、ほかの国はどんな単位を使っているのでしょうか?

Q 世界の国の数は?
A 196か国です。これは,現在,日本が承認している国の数である195か国に日本を加えた数です。最近では,ニウエ(2015年5月15日),南スーダン(2011年7月9日)及びクック諸島(2011年3月25日)を承認しました。
 また、国連加盟国数は現在193か国(日本を含む)です。日本が国家承認しているバチカン,コソボ共和国,クック諸島及びニウエは国連未加盟ですが,北朝鮮は国連に加盟しています。(外務省ホームページより)

世界のお金の種類は?

世界で使われているお金の種類は約180種類です。
ドル、ユーロは複数の国で使用されているため、世界の国の数と通貨の数は一致しません。ヨーロッパのEU加盟国はフランス、ドイツ、イタリア、スペインなど、ほとんど通貨にユーロを使っていますが、イギリスはEUに加盟したものの、通貨は従来のポンドを使い続けることにしました。そのため、イギリスではユーロは使えません。

アメリカ以外でも〇〇ドルとして使われていますが、同じですか?

単にドルというとアメリカ合衆国でのドル(アメリカドル、米ドル、USドル)を指します。ドルというのは、もともと英国が植民地の通貨として地域内で流通させたため、お金の代名詞としてドルが使われ、各国でカナダドルとかオーストラリアドルとかの名前がついたのです。しかし、それぞれ別の国ですから、通貨も全く別です。

では、外国へ旅行するときのお金はどうするのですか?

アメリカへ旅行するときに日本のお金を持っていっても使えませんね。だから、日本の「円」を「ドル」に変換しなくてはなりません。この違う通貨同士を交換することを為替(かわせ)または外国為替(がいこくかわせ)といいます。だから、空港には両替所があって、日本円をアメリカドルに交換(両替)してくれます。

しかし、日本の1円とアメリカの1ドルとはお金の価値が違います。このお金の価値を表す数字が為替レートあるいは為替相場(かわせそうば)といいます。そして為替相場は固定的に決まっているわけではなく、市場における需要と供給のバランスによって決まります。例えば、大谷翔平のTシャツが欲しいけれども欲しい人がたくさんいると、どんどんそのシャツの値段が高くなって数十万円になったりもしますね。為替も同じです。1ドルが120円になったり、80円になったり日々変化しています。このことを変動相場制といいます。しかし、1971年8月15日、ニクソン大統領によって『新経済政策』が発表されるまでは、固定相場制と言って1ドル=360円と決められていました。理由は、金1オンス=35ドルと決められていたため、それを円に直すと360円になっていたわけです。
この図は三井住友銀行のホームページのものですが、2022年3月11日午前9時5分現在のものです。為替チャートからもわかるようにレートは時々刻々と変化していきます。上の図から、この時点で、円をドルに変換するのに116.68円で1ドルと交換できます。ユーロ、ポンドも同様に考えてください。

※為替レートのTTB、TTSとは
本来のレート(TTM)に対して為替手数料を差し引いた金額がTTB、為替手数料をプラスした金額がTTSとなります。

円高・円安とは

為替レートによって1ドルあたりの円が変化することがわかりましたね。例えば、1ドル120円の場合と80円の場合で考えてみましょう。1ドル120円であると1ドルで40円のお饅頭が3つ買えます。しかし、1ドル80円であると2つしか買えません。だから1ドル80円のときより、1ドル120円のときの方がドルの価値が高いと言えます。日本円の価値はこの逆になって、ドルが高ければ円が安く、ドルが安ければ円は高くなります。つまり1ドル80円であると80円払えば1ドルのものが買えるのに、1ドル120円であると120円払わなければ1ドルのものが買えないことになるからです。
だからこの場合、1ドル80円から1ドル120円になることを円安・ドル高、1ドル120円から1ドル80円になることを円高・ドル安といいます。

さて、ここで問題です。海外に旅行に行くときには円安?円高?どちらがお得でしょうか?

円高・円安のメリット・デメリット

円高のメリットは円の価値が高くなるので外国のものを買いやすくなります。海外旅行や現地での購入、輸入品も価格は下がります。日本は輸入に頼るものが多く、円高になることでワインやチーズといった商品だけでなく、原油やガソリンの価格が下がり、結果として企業の経営にもよい影響をもたらします。その反面、円高になると、日本からの輸出品の価格は上がります。そのため国際競争では不利に働くことになります。また訪日する外国人旅行者にとっても日本での旅行や買い物がしにくくなります。そのため観光地や百貨店にとってはマイナスの影響が予想されます。

円安のときには円高とは逆になって、海外に輸出しやすくなります。日本は自動車メーカーなど輸出企業が多いので、企業にとってメリットが多く、従業員の収入が上がることになり、景気にも貢献します。 一方で円安は海外から輸入するときには不利になり、円高のときには安かった輸入品も円安になると高くなってしまいます。